老後資金に2,000万円が必要だと言われる今、資産形成に役立つ手段としてiDeCoやNISAを始めとした「投資」が注目を集めています。
しかし、「投資は初心者には難易度が高そう」「投資に時間をかけられない」と感じてなかなか始められない方も多いでしょう。
結論から言うと、忙しくても投資を始めたい人には、「寝転んでいても、放置状態でも、利益を生み出す」ほったらかし投資がおすすめです。
この記事では、ほったらかし投資のメリット・デメリットから、最適な方法まで初心者向けに解説します。
ほったらかし投資とは
ほったらかし投資とは、投資環境を事前に整えておけば、後はほぼ放置しても資産が増やせる投資手法のことを指します。
手法は複数ありますが、基本的にはどの方法でも長期の積立投資で利益を目指す点が共通しています。
長期的な積立投資は、投資のリスクを減らすのにも効果的です。
ほったらかし投資では、商品を買うだけで良いため、売買のタイミングを見極める必要がなく、初心者にとって始めやすいと言えます。
それでは早速、ほったらかし投資のメリットとデメリットを確認し、その特徴を理解していきましょう。
投資なので、当然リスクがあることは念頭に置く必要がありますが、複数の方法を掛け合わせる事で「それぞれのデメリットを補い最適化する事」が抑えておきたいポイントです。
代表的なほったらかし投資の一つが、長期の積立投資です。
毎月一定の日に一定額を積み立てるなど、安定した投資を行いつつ資産を増やしていきます。
時間を分散させることで、価格変動のリスクを抑えることができます。
チャートを見続ける必要もないため、忙しい方や投資初心者にとって、ほったらかし投資は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ほったらかし投資をおすすめする理由
ほったらかし投資がおすすめとされる理由は、以下の3つとなります。
- 投資初心者でも簡単に始められる
- ほったらかしにできるからこそ複数の投資でリスク分散ができる
- 少額からでも預貯金以上の利回りが期待できる
- 金融リテラシーが身につく
ほったらかし投資は短期間で大きなリターンを得ることは難しいものの、細かな状況を追う必要がないため、初心者でも安心して始められます。
また、預貯金に比べてより高い利回りが期待できます。
それでは、ほったらかし投資がおすすめとされる理由について詳しく見ていきましょう。
ほったらかし投資のメリット3つ
では、ほったらかし投資がなぜおすすめなのか、そのメリットを3つご紹介します。
①時間や手間がかからない
これまで投資に興味はあるけど、本業や家事が忙しくてなかなか手を出せなかった、という方は多いのではないでしょうか。
しかし、ほったらかし投資ならば、その名の通り放置状態で収益を狙うことができます。
自分のやるべき仕事に集中しながら、同時に資産形成も行える一石二鳥の方法が、ほったらかし投資と言えます。
②金融リテラシーが高まる
ほったらかし投資でも、投資家としての知識や経験が必要になります。
そのため、ほったらかし投資は金融リテラシーを高めるきっかけとなります。
ほったらかし投資を始めれば、自分のお金が増えたり減ったりする過程を通じて、お金について考える機会が自然と増えます。
さらに利益が出るようになると、資産運用の面白さを味わい、自然と投資や金融について学びたくなるでしょう。
③預貯金以上の利回りが期待できる
超低金利の現在で、定期預金等でお金を増やそうとしても、時間をかけてもほとんどお金は増えません。
一方、ほったらかし投資では1~5%程度の利回りを目指せるものが多くあります。
ほったらかし投資のデメリット2つ
ほったらかし投資にも、もちろんデメリットがあります。
①放置しっぱなしは危険
ほったらかし投資はその名の通り放置できる投資手法ですが、全くの放置はリスクを伴います。
購入した商品の価値が大きく下がっているのにずっと放置してしまうと、損失がどんどん大きくなってしまう恐れがあります。
じゃあ、結局毎日確認しなきゃいけないのか?
と感じるかもしれませんが、実際は月に1回、運用状況を確認すれば十分だと言えるでしょう。
長期投資は、一喜一憂せず焦らずじっくり運用することを心がけましょう。
また「購入した時よりも◯◯%値下がりしたら売却」など、マイルールを作るのも非常に効果的です。
②短期的には儲からない
ほったらかし投資は短期間で大きな利益を狙うFXのような投資ではありません。
原則として長期的な積立投資なので、短期間で大きな利益を得ることは期待できません。
リスクの高い短期投資と比べて、安定した利益を得やすいというメリットがあります。
長期投資は運用で得た利益を再投資することで、利益が利益を生んで、雪だるま式にお金がふくらんでいく「複利効果」を活かして資産を増やしていきます。
ほったらかしでお金を増やすおすすめの方法8選
ほったらかしでお金を増やす方法には、いろんな方法がありますが、その中でもおすすめなのは、以下の8つどれか1つを。
といった感じではなくできるだけ複数の方法を掛け合わせる事でそれぞれのリスクを補うイメージを持ちましょう。
不動産投資
不動産投資は、サラリーマンや公務員でもマンションの一室やアパート一棟等の物件をローンで購入し、入居者から得る家賃により収益を得る方法です。
まとまった資金がない、不動産投資の知識がない方でも始められる投資の1つとして有名です。
メリット
- レバレッジ効果を使い相対的に低い初期投資でスタートできる
- ローンを一定の家賃収入で支払う事ができる
- 生命保険の代わりともなる
- ローン完済後に現物資産と家賃収入が残る
- デメリット部分が管理会社に依頼する事で回避できる
デメリット
- 賃料未払いのリスクがある
- 空室リスク
つみたてNISA
つみたてNISAは、一定の範囲内で投資信託等の運用益が非課税となる制度です。
メリット
- 運用益が非課税になる
デメリット
- 投資可能額や期間に制限がある
- 投資対象商品に限りがある
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自己の節税と資産形成を兼ね備えた私的年金制度です。
メリット
- 掛金が所得控除の対象になる
- 運用益が非課税になる
- 年金としての受け取り時にも控除のメリットがある
デメリット
- 60歳まで基本的に引き出せない
- 運用により元本が減るリスクも存在する
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から集めた資金を不動産事業に投資し、その収益を投資家間で分配する仕組みです。
メリット
- 低い資金から始められる
- 物件の運営や維持管理の手間がない
- 比較的利回りが高い
デメリット
- 元本が割れるリスクがある
- 利用可能なローンがない
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、個人投資家が企業等の資金調達に貸し付け、その返済から利益を得る手法です。
メリット
- 比較的高い利回りが期待できる
- 少額から投資が可能
- 短期間でも運用可能
デメリット
- 中途で解約が難しい
- 元本割れのリスクがある
株の自動売買
株の自動売買は、設定した条件に基づいてAiが自動的に株の売買を行う方法です。
メリット
- 売買のタイミングに悩む必要がない
- 感情による影響を排除できる
デメリット
- 臨機応変な対応が難しい
- 設定自体が難易度が高い場合がある
FXの自動売買
FXの自動売買は、設定した条件に基づいてAiが自動的に為替の売買を行う方法です。
メリット
- 感情に影響されずに取引が可能
- 24時間取引のチャンスを活用できる
デメリット
- 相場の動きに即したシステムを選ぶ必要がある
- 元本が減るリスクがある
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AIが投資のアドバイスや運用を行ってくれるシステムです。
メリット
- 運用先の選択や管理が手間いらず
- 感情による投資判断が排除される
デメリット
- 損失を被る可能性がある
- 短期間での大きな利益は見込めない
ほったらかし投資のおすすめは?ニーズ別に解説
ニーズ別、ほったらかし投資のおすすめ方法をご紹介します。
100万円程度の余剰資金を投資に回したい
100万円程度の余剰資金を投資に回したい場合は、株式投資や投資信託が良い選択です。年間3%程度の配当利回りを持つ企業の株式を選べば、年間で約3万円の配当金が見込めます。
さらに、一般NISAを利用すれば、得た利益は非課税になりますので、資産形成をより効率的に進めることができます。
できるだけ元本割れせずローリスクで投資したい
元本保全を重視し、ローリスクで運用したいならば、個人向け国債が適しています。これは国が発行する債券で、元本割れのリスクがほとんどありません。
しかし、その安定性の代わりに、利回りは低いため、大きな利益を期待するのは難しいでしょう。
面倒くさいのは一切イヤ!! 不労所得を得たい
不労所得を得たいという目標がある場合、コインパーキング投資、コインランドリー投資、トランクルーム投資などが考えられますが、その中でも特におすすめなのが不動産投資です。
不動産投資とは、アパートやマンションの一室や1棟、一戸建てなどの不動産をローンで購入し、賃貸料を収入として得る方法です。
適切な物件選びと管理会社さえ選択すれば、安定した資産を得ることが可能です。
また、銀行ローンを利用して投資を開始する為、以外にも少ない資金で参入することが可能。
賃料収入は物価の上昇に対応して上がる可能性があるため、インフレ対策としても有効です。
ただし、物件の選定や管理には専門知識が必要となるため、専門の不動産会社に依頼する方が良いでしょう。
これら各手法について理解し、自分のライフスタイルや資金力に合ったものを選ぶことが大切です。
初めての試みであれば、始めやすさとリスクのバランスが取れた方法から始めることを推奨します。
ほったらかし投資で失敗しないためには
ほったらかし投資においても、投資商品各々がデメリットやリスクを内包していますので、それらを理解した上で取り組むことが大切です。
また、以下のポイントを把握しておけば、リスクを抑えつつ有益な運用を行うことが可能となります。
- なるべく複数の投資に取り組みリスクを補う
- 定期的に資産の状況を確認し、必要に応じて投資配分(ポートフォリオ)を調整する
- 契約内容や条件を十分に把握した上で投資に取り組む
これらのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
定期的に資産の状況を確認し、必要に応じて投資配分(ポートフォリオ)を調整する
「ほったらかし投資」でも、投資状況を見て評価し、最適化することが必要です。
運用状況を月1回程度確認し、必要に応じてポートフォリオの見直しを行いましょう。
契約内容や条件を十分に把握した上で投資に取り組む
投資に取り組む前には、契約内容や条件を十分に理解してから始めましょう。
「分散投資・長期運用」を基本とし、これらの原則に従った投資商品を選ぶことで、リスクを適切に抑えることができます。
まとめ
投資ニーズにより、ほったらかし投資の適切な選択肢は変わります。
余剰資金がある場合は、株式投資や投資信託が良い選択です。ローリスクを重視するのであれば、個人向け国債が適しています。
また、安定した不労所得を得たいという目標があるならば、不動産投資が最適でしょう。
しかし、どの方法もリスクを伴いますので、投資する前にはしっかりと調査し、理解した上で取り組むことが重要です。
また、定期的な資産の見直しを行うことも忘れずに行いましょう。
適切な知識と準備を持って取り組むことで、ほったらかし投資も成功に繋げることが可能となります。
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