政府の税制調査会は、今の給与所得控除がサラリーマンに「相当に手厚い」とし、「働き方の差」を是正すべきだと、政府税調が提唱しました。
給与所得控除というのは、主にサラリーマンが利用する制度で、年末調整で所得税を計算する際に大いに役立ちます。
ただ、源泉徴収票にその明記がないため、給与所得控除の詳細について実は、よく理解していない方もいるのではないでしょうか?
給与所得控除の見直しとその影響
これからは、この給与所得控除の見直しについて具体的な対策がどのように進んでいくのか、その変化が我々の生活にどの程度影響を及ぼすのか、注意し対策することが必要です。
政府の提唱
政府の税制調査会は、現在の制度がサラリーマンに対して比較的手厚くなっているとし、働き方の多様化に対応した税制を求めています。
また、政府の税制調査会は、多様な働き方が広まる現代において、税の取り扱いについて新たな提言をまとめました。
現行の制度では、全体的に見てサラリーマンの給与収入の約3割が給与所得控除となり、支払う税金が軽減されています。これについて、「相当に手厚い仕組みである」と政府は指摘しています。
しかし、フリーランスや副業者などは給与所得控除の恩恵を受けづらいため、働き方に関わらず控除を受けられるような制度の検討が今後進んでいくと考えられます。
サラリーマンの給与所得控除額
では、一体サラリーマンの給与所得控除額はどの程度なのでしょう?
給与所得控除額は収入額によって計算式が変わります。
給与を受け取るすべての人が一律に同額の控除を受けるわけではないのです。具体的な計算式は収入額ごとに設定されています。
給与所得控除額の計算方法
- 収入金額給与所得控除額
- ~162.5万550,000円
- 162.5~180万収入金額×40%ー100,000円
- 180.1~360万収入金額×30%+80,000円
- 360.1~660万収入金額×20%+440,000円
- 660.1~850万収入金額×10%+1,100,000円
- 850万以上1,950,000円
ただし、給与等の収入金額が660万円未満の方の年末調整では、上記の計算式を使用して給与所得控除を算出し、それを給与収入から引くのではなく、国税庁のサイトに掲載されている「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を用いて年末調整を行います。
給与所得控除の公平性について
確かにサラリーマン給与所得控除は比較的に手厚くなっているでしょうが、所得捕捉度の不公平を表すトーゴーサンピンやクロヨンといった指標を見ると、サラリーマンは全ての所得を税務署に把握されています。
年末調整でスーツ代や書籍代など仕事に関する支出の領収書等を会社がチェックすることは無理があります。
しかし、働き方に関わらず控除を拡大するという提言が、働き方の差を縮める答えになるかどうか、これから見守るべき問題です。
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